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NPV法に則って考えるとウィスキービジネスはどうやってもNPVがプラスにならなくて、このままではウィスキーがこの世から消滅するかもしれません。

下の図を見てください。(クリックで拡大)
1styear06022006.gif

ウィスキーの1サイクルを1事業単位として考えると、ウィスキービジネスは0年目に原材料費/製造費が発生し、その後1-9年目までは熟成期間でコストが発生せず、10年目にボトリングして売上があがるという構造になっています。実際には熟成期間中もメンテナンス等の費用が若干かかってますが、わかりやすくするために0としました。あと、単純化して考えるために税金とか資本構成とかは忘れてください。

会計上は[売上150 - 費用100 = 利益50]という高利益率の商売に見えますが、事業の現在価値は-42になってしまいます。(ちなみにディスカウントレートはテキトーに10%としてます。)1サイクルごとにNPVがマイナスなので、これが何サイクルにわたったとしてもマイナスになり続けるはずです。

世界中の投資家がこれに気付いたら誰もウィスキービジネスに投資しなくなってしまいます。もううまいウィスキーも飲めなくなりますね。どうしましょう。。。
と、そんなことはないです。これは安っぽいトリックみたいなものです。種明かしをするために1サイクルではなく2サイクルを切り出して見てみましょう。
(クリックで拡大)
2ndyear06022006.gif

ご覧のとおり2サイクルを切り出して2年目の期初の視点から見るとNPVはプラス21になりました。何故かというと1年前のコスト100が埋没コスト(濃いグレーの部分)になるからです。

2年だけじゃ足りないので何十年も経った蒸留所を「今」の視点から見てみましょう。
(クリックで拡大)
perpetuity06022006.gif

毎年の売上が150でコストが100というビジネスです。同じように過去の費用は全て埋没コスト(濃いグレーの部分)になります。売上と費用の対応期間は10年ですが、年輪のように重なってあたかも対応期間が1年のような状況になっています。キャッシュフロー的には、同じ年に100で仕入れたものを150で売るビジネスと変わりありません。NPVはPerpetuityの公式から[50 ÷ 0.1 = 500]になりました。

というわけでウィスキービジネスは安泰でした。今日のManagement Accountingで冒頭のように1サイクルだけのPVの例が出てきたので心配になって、家に帰ってから一生懸命考えました。結果、Going Concernで安定してビジネスを続けていく限り、そんなに悪いビジネスじゃないということが判ります。

ただ、熟成期間が長いので需要予測が不可能な点はこの事業の本来的なリスクだと思います。マーケティングの硬直性に繋がります。来年ウィスキーブームが起こって需要が激増すると判っていても、実際に供給を増やせるのは10年後ですから。難しいビジネスですね。まあこれはNPVとは関係ないですが。
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