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以前にも書いた気がしますが、今やってる授業の中ではFinanceが一番難しく感じます。今日もPre-readingしている時は脳みそをしわくちゃにしてもサッパリ判らなくて困りました。(その後の勉強会でだいぶクリアになりましたが)某社でM&Aとかを担当していた私がこんなんでは不味いのですが、ちょっと言い訳してみたいと思います。

いきなりぶっちゃけて書いてしまいますが、Financeの教科書で習うNPVとかDCFとかって結構Uselessだと思います。基本的な概念としてPresent Valueの基礎を覚えるのは非常に大事ですが、あんまり細かいところまで立ち入っても役に立つことが少ない気がします。

実際、企業のValuationをする時にDCFって殆ど使わないんじゃないでしょうか。第一に、BetaとかWACCとか弄って数字遊びをするより、そもそもその事業が儲かるのかを洞察することの方が重要です。割引率が2%とか変わっても大した違いにはなりませんが、3年後の利益が100億違えばすごい違いになります。将来の収益性を洞察するためには業界動向に精通する必要があるでしょうし、経営陣の資質を見抜く必要があるでしょう。ハイテク企業の評価であれば技術に関する理解は必須です。そっちのほうが企業評価の主役なので、DCFとかは些細なものです。

第二に、「Betaを○○と仮定する」「○年後以降の永久成長率を○○と仮定する」「デットエクイティレシオは一定のものと仮定する」とかそういうの多すぎです。そんなの現実世界にはあり得ませんから。

最後に、資本市場における株価はDCFでは決まりません。つまりA社の株を買う投資家はA社のFCFを現在価値に引き直して割安だと思うから買うわけじゃないです。やっぱPER(と配当)を見るでしょう。

ちなみに私は未公開企業の評価方法としては、DCFよりも類似業種比準方式(場合によって類似会社比準方式や純資産方式、またはそれらの併用)のほうが理にかなっていると思います。第一に、株価のことは資本市場に聞け。第二に、未来のことは下手に詮索するな、てな感じです。

NPVの考え方はプロジェクトファイナンスで投資価値を判断する際に、単純化したモデルとして参考にすると有用だと思います。でも企業評価に使う場合は結構問題がある気がします。実際にはどの評価方法にも問題はあるのですが、世の中の風潮がDCFに傾きすぎるのでちょっと気になった次第です。
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